宇宙基礎編 ~ 宇宙背景放射
宇宙背景放射(うちゅうはいけいほうしゃ)とは、宇宙空間の全域からほぼ均等に観測される、さまざまな周波数の電磁波の放射を指す。宇宙背景輻射と呼ぶ場合もある。最も代表的なものは宇宙マイクロ波背景放射で、その他にX線や赤外線での背景放射などが知られている。宇宙マイクロ波背景放射 (Cosmic Microwave Background CMB) は宇宙全体から観測されるマイクロ波の背景放射である。宇宙の雑学から考えると、その周波数分布は2.725Kの黒体放射にほぼ完全に一致している。宇宙赤外線背景放射(Cosmic Infrared Background CIB)は銀河系の両極方向で見られる、数十億光年以上の彼方に起源があると思われる赤外線の背景放射である。放射源はビッグバン直後に生まれた第一世代の恒星によって加熱された星間物質から放射される近赤外線ではないかと考えられている。しかし現在の理論的予測に比べて強度が強いため、その原因について、星間ガスが予測以上に多いためか、宇宙初期に第一世代の星が爆発的に誕生し、多量のエネルギーを放射した後で超新星爆発を起こして消滅してしまったせいか、などの可能性が議論されている。宇宙X線背景放射 (Cosmic X-ray Background CXB)は1962年のロケット実験で存在が確認された、宇宙から等方的にやってくるX線放射である。その起源については、クエーサーや活動銀河核にあるとされる大型ブラックホールなどの点源の集まりからなるのか、広がった高温ガスの熱制動放射由来なのか議論が続いていた。当初、全体の25~30%の成分は点源としてほぼ確認されていたが、放射全ての起源を確認するには至っていなかった。宇宙背景放射に対する見解は、しかし、宇宙の雑学を理解したいのであれば、高い角分解能を持つチャンドラX線衛星の観測によって、宇宙X線背景放射の85%以上が点源のからの放射の寄せ集めであることが判明した。