宇宙基礎編 ~ 宇宙の誕生と死
宇宙の始まりはビッグバンと呼ばれる大爆発であったとされる。我々から遠ざかる天体の速さは我々からの距離に比例する(ハッブルの法則)ため、逆に時間を遡れば、過去のある時点ではすべての天体は 1 点に集まっていた、つまり宇宙全体が非常に小さく高温・高密度の状態にあったことが推定される。このような初期宇宙のモデルはビッグバン・モデルと呼ばれ、1940年代にガモフによって提唱された。その後、1965年にペンジアスとウィルソンによって、宇宙のあらゆる方角から絶対温度3度の黒体放射に相当するマイクロ波が放射されていることが発見された(宇宙背景放射)。これはまさに、宇宙初期の高温な時代に放たれた熱放射の名残であると考えられ、ビッグバン・モデルの正しさを裏付ける証拠であるとされている。しかしその後、宇宙の地平線問題や平坦性問題といった、初期の単純なビッグバン理論では説明できない問題が出てきたため、これらを解決する理論として1980年代にインフレーション理論が提唱されている。また、量子論によれば、発生初期の宇宙には、真空のエネルギーに満ちており、それが斥力となり宇宙膨張の原動力になった。膨張する我々の宇宙がこの先どのような運命をたどるかは、アインシュタイン方程式の解である宇宙モデルによって異なる。一般に、一様等方という宇宙原理を満たすような宇宙モデルには、空間の曲率が0の平坦な宇宙、曲率が正の閉じた宇宙、曲率が負の開いた宇宙の3通りが可能である。平坦な宇宙か開いた宇宙であれば宇宙は永遠に膨張を続ける。閉じた宇宙であればある時点で膨張が収縮に転じ、やがて大きさ0につぶれる(ビッグクランチ)。2005年時点での最新の観測結果によれば、宇宙は平坦な時空であり、このまま引き続き広がり続け、止まることはないと考えられている。宇宙が平坦であり永遠に膨張を続けるということは、最終的に宇宙は絶対零度に向かって永遠に冷却し続けることを意味する。