宇宙基礎編 ~ サイクリック宇宙論
サイクリック宇宙論とは、京都大学教授の川合光(理化学研究所研究員兼任)・京都大学基礎物理学研究所(通称、湯川研)教授二宮正夫・福間将文らによって提唱されている宇宙論のこと。具体的には、現在の宇宙は50回目の宇宙であり、これまで49回生まれては消滅しを繰り返して、現在の宇宙になったとする仮設。なお、ビックバン及びビッククランチは、その回数を重ねるごとに8倍づつ宇宙の寿命を延ばしたとされる。このような仮説が提唱されたのは、次の理論的検討からである。『1.温度の上限である、ハゲドン温度』『2.T-デュアリティと呼ばれる、スーパーストリングス理論の性質。』1及び2を検討すると、初期宇宙の大きさが極小(プランクメートル以下)の時、宇宙全体はブラックホールと同じ状態となり、インフレーション機構を生じる可能性が極めて少なくなり、自己重力によって崩壊しまう。しかし、ビックバンによって生じたエントロピーは保存されるため、ビッククランチを起こした宇宙は再び、ビックバンを起こすだけのエネルギーを生じる。この時生じた、エントロピーが、次のスーパーストリングの大きさを規定する。(※1) このとき、最初に生じた宇宙のエントロピーが、次の宇宙のビックバン領域の大きさを規定することになる。この過程が繰り返されることによって、初期宇宙のスーパーストリングスの大きさを規定することになり、50回目の宇宙として、私達がここに存在する(※2)。なお、49回目のビッグバンでは、約30億年から約40億年で消滅してしまうため、知的生命体を生じるまでには至らなかったのではないかと思われている。(※1)この基本的なシナリオは、ホーキング・ペンローズによるブラックホールの特異点定理と同じものである。具体的には、関連事項参照。(※2)ビックバン及びビッククランチの繰り返しの回数には諸説あり、30回から50回という説もある。余談であるが、スーパーストリングスには、宇宙の初期パラメータが存在しない。スーパーストリングスはカラビ・ヤウ空間への写像として投影できるため、いくつもの可能性が存在する。(※1のNote.)宇宙の最初期に関しては、特異点と同じ状態になることは理論物理学者にとっては周知のことであると思う。なぜならば、重力+強い力(強い相互作用)+弱い力(弱い相互作用)+電磁力+(近年では、真空のエネルギー等)が、全てある一点に集まった状態であるため。